加工が難しいステンレス素材もCNC複合旋盤で正確な加工を実現します

加工が難しいステンレス素材もCNC複合旋盤で正確な加工を実現します

ステンレス素材の加工が難しいことは広く知られていますが、CNC複合旋盤をうまく使いこなすことができれば正確な切削加工が実現できます。この記事ではステンレス素材の加工が難しい理由とCNC複合旋盤を使いこなすポイントだけでなく、技術の差が出やすい業者の中から高い技術がある業者を見極めるポイントについて詳しく解説します。

ステンレス素材の加工が難しい理由とCNC複合旋盤を使いこなすポイント

CNC複合旋盤を利用して炭素鋼や合金鋼、合金アルミニウム、亜鉛合金などさまざまな金属素材を切削加工して精密部品を作り出します。その中でももっとも取り扱いが多いのはステンレス素材です。

ステンレス素材は錆びに強いのが特徴で、加工性や耐熱性にも優れています。ステンレス製の調理器具や調理台はよく見かけますが、それは水回りで使用しても錆びることなく長く使用することができるからです。

しかしながら、ステンレス素材は加工が大変難しいため、うまくCNC複合旋盤を使いこなすことができなければ製品として価値はなくなってしまいます。ステンレス素材の加工が難しい4つの理由とCNC複合旋盤を使いこなすポイントについてご紹介します。

ステンレス素材にも種類がある

一口にステンレス素材といっても、100%ステンレスでできている素材はまれで、ほとんどは何らかの添加物質が含まれています。その添加物質によって加工時の特性が異なるため、加工技術を調整する必要があります。

CNC複合旋盤には機械を自動制御しながら稼働させるセンサーが付いているので、固定したステンレス素材に合わせた最善の加工を行うことができます。ステンレス素材の種類や特性の見極めも必要なりますが、センサーが熟練の職人技に匹敵する技術を再現するのです。

力が加わると硬くなる性質がある

ステンレス素材には力が加わると硬くなる性質があります。「加工硬化」と呼ばれるこの現象は、弱い力を加えた時には元通りになりますが、一定以上の強い力を加えてしまうと戻らなくなります。

一度加工硬化が起きたステンレス素材は製品として使用することができなくなるので、ステンレス素材の加工時には力の加え方がポイントとなります。CNC複合旋盤を利用する時には、ステンレス素材をうまく加工できた時のプログラミングを使い回したり応用したりすれば加工硬化を起こさずにすみます。

熱伝導率が悪くて工具破損の可能性がある

ステンレス素材は耐熱性に優れている一方で、熱伝導率が悪い特性を持ちます。そのため、加工時に削りカスが付着したままになったり、こもった熱が切削する工具の方に伝わってしまったりすると、工具破損の可能性が高まります。

CNC複合旋盤を利用する際には、ステンレス素材の特性を理解して工具の選定を慎重に行う必要があります。さらに工具への負担が少ない加工を行うことで、加工が難しいステンレス素材であっても図面通りの正確な加工を実現可能です。

急激に冷えると割れる可能性がある

ステンレス素材に溶接をすると熱くなりますが、その後急激に冷えると割れる可能性があります。加工が難しいステンレス素材に工夫して加工を施したところで割れてしまってはもう製品として世に出すことはできません。

そこで、加工後に冷えるところまで考慮して製品を扱う必要があります。ステンレス素材の加工は種類や特性の見極めから始まり、最後の冷えるところまで徹底した管理が必要となる繊細なものなのです。

ステンレス素材を加工するなら高い技術を持った業者に依頼しよう

ステンレス素材の加工は大変難しく、一つひとつの工程での技術の差がそのまま製品の差に結びつきます。そのため、ステンレス素材を加工するなら、高い技術を持った業者に依頼するのがおすすめです。高い技術があるのか見極めるポイントは次の2つです。

ステンレス素材の加工実績が豊富である

金属の切削加工業者のホームページを見ると、どんな金属素材をメインにしているのか、記載されていることがほとんどです。ステンレス素材をメインに加工してきた業者は長年の知識と経験があり、最新のCNC複合旋盤を導入している可能性が高いので、高い技術を持ち合わせていることが期待できます。

実際にステンレス素材の製品を見せてもらう

実際にステンレス素材の製品を見せてもらうと、技術力を確認できます。高い技術がある製品は歪みがないだけでなく、溶接部が美しいという特徴があります。契約前に一度確認してみることをおすすめします。

まとめ

ステンレス素材にはさまざまな種類や特性があり、力が加わると硬くなる性質や熱伝導率の悪さ、急激に冷えると割れるなど加工が難しいとされています。しかし、CNC複合旋盤の使い方次第で歪みのない正確な切削加工をすることが可能です。

ステンレス素材の加工では技術の差が現れやすいので、業者選びの際にはステンレス素材の加工実績が豊富な業者を選びましょう。また、実際に加工してあるステンレス素材の製品を見せてもらうのもおすすめです。

埼玉県飯能市の「株式会社青木精機」ではステンレス素材をメインにCNC複合旋盤による加工を行っています。製作しているのは航空機部品や計量器部品、医薬機器部品などのさまざまな精密部品です。ステンレス素材の加工をお求めでしたら、ぜひ弊社にご相談ください。

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